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2007年、投資信託10大ニュース
 2007年は株式、為替相場両面において大きく乱高下する局面が見られた年だった。東京株式市場は、2月と8月に大きく下落する局面があった。年初来の東証株価指数(TOPIX)は約11%の下落となっている。

 そんな2007年の投信市場における特徴的な出来事を振り返ってみよう。


1・サブプライムローン問題による信用収縮

米国における住宅価格上昇の鈍化が顕在化したことでサブプライムローン(信用力の低い借り手に対する住宅ローン)の借り手の利払い延滞が増大、サブプライムローンを組み入れた金融商品の大幅下落に始まり、リスク商品に対する慎重な見方が広がったことで世界的な株安を引き起こした。これに伴い、7月以降、国内外の株式ファンドの運用成績は悪化した。


2・円キャリートレードの巻き戻し

サブプライムローン問題を契機として、投資家のリスク許容度が低下したことで金利の安い円を借りて、金利の高い通貨に投資する円キャリートレードも大幅に縮小された。高いレバレッジをかけてFX取引を行なっていた個人投資家の強制的な手仕舞いにより、円高が助長され、これまで純資産を伸ばしてきた海外国債ファンドのパフォーマンスが悪化した。



3・REIT(不動産投資信託)ファンド、上昇トレンドの終焉

2003年に国内でJ-REIT市場が発足したことを契機として、J-REITファンドに注目が集まるとともに海外の不動産に投資するREITファンドも多く設定された。国内外のオフィスや商業施設関連の不動産が堅調だったことで国内、海外ともに2003年3月から今年6月末までに2.5倍以上に上昇したものの2007年に入り、サブプライムローン問題による質への逃避、不動産不安で年末にかけて20%近い下落となった。



4・中国発世界同時株安

急速な経済発展を背景に拡大を続けた上海株式市場の過熱感が高まるとともに中国政府による金融引き締め策や証券取引規制策を打ち出すという観測から2月末に急落。これをきっかけとして世界同時株安が引き起こされた。中国発の世界的な株安はこれが初めてのケースで世界市場に対する中国市場の影響力が顕在化した出来事でもあった。投信市場においては中国株式ファンドのみならず、国内外の株式ファンドに影響が広がった。



5・金商法改正

これまで証券、投資信託、投資顧問、信託受益権、デリバティブなど金融商品ごとに法令が独立していたものが投資性の高い金融商品を一元的に対象とする金融商品取引法が施行された。以前に比較して、販売時の説明力が求められるようになり、広告規制なども厳格化されことで施行された10月以降の投資信託の純流入額は大幅に減少した。



6・新興国ファンドの新設ラッシュ

中国をはじめとする新興国の代表格であるBRIC’s4カ国に投資するファンドに加え、ポストBRIC’sとして成長の期待される東南アジア株式、東欧株式、中東株式に投資するファンドが相次いで新設された。これらの国々は潜在的な経済成長に加えて、外貨準備高も積みあがったことで為替リスクが低減されたことで人気が集まった。



7・新テーマ:資源・環境関連

株式・債券・REIT・新興国と次々に資産クラスや資産地域が拡大する中、新たなテーマとして資源・環境関連のファンドに注目が集まった。世界的な資源の需要不足が指摘される中で資源を取り扱う企業が注目されるとともに新興国の急速な経済成長などに伴う環境破壊を防止する技術を持つ企業の成長性にも期待が持たれ、相次いで当テーマに沿ったファンドが新設された。



8・好配当株式ファンドの純資産額増大

投資信託購入層の中核である60代に安定的なキャッシュフローを生み出す商品として長年、グロソブに代表される先進国国債ファンドの拡大が続いてきたが、2007年に入り、キャッシュフローと資産の安定的な成長の双方を追及するファンドとして好配当株式ファンドの純資産額が大きく伸びた。一時、募集停止となった「グローバル・インカム・株式(毎月決算)」や「グローバル好配当株オープン」、「DIAM 世界好配当株オープン(毎月決算)」などの急拡大はグローバルな好配当株式が中核資産として認知された結果かもしれない。



9・短期高金利債券ファンドの拡大

サブプライムローン問題による投資家のリスク許容度の低下に伴って、海外債券の中でも高金利でデュレーションの短いファンドに人気が集まった。円安期待が薄まったことで通貨自体の金利が注目されるとともに短期債券でリスクを回避する姿勢が目立つ結果となった。



10・国内債券ファンド、近年にない運用成果

サブプライムローン問題で株式、REITなどの大幅下落、円高による海外債券の不調が生じた中、国内債券ファンドは年初から12月26日までに1.62%の上昇と年初来リターンは99年以降で最高となった。世界的にリスク商品からの資金引上げが目立つ中で国内債券は低リスク商品として多くの投資家にとって相対的に魅力的な資産となったものと考えられる。

出典:モーニングスター

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済